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TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント’23
クリスマスイブに開催されたアシㇼパ組~川口撮影所~の模様をレポートッ!!


TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント’23 アシㇼパ組~川口撮影所~が、12月24日に川口総合文化センター・リリア メインホールにて開催。この日を心待ちにしていた多くのファンが会場を埋め尽くす中、イベントはサプライズで登場したALIによるOPテーマ「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」のライブで華々しく幕を開けた。


これに続いてコロナ禍ではできなかったキャスト全員が観客席を通過してステージに上がる演出も加わり、早くも会場のボルテージは最高潮に。登壇したのは、杉元佐一役の小林親弘さん、アシㇼパ役の白石晴香さん、白石由竹役の伊藤健太郎さん、土方歳三役の中田譲治さん、尾形百之助役の津田健次郎さん、牛山辰馬役の乃村健次さん、宇佐美上等兵役の松岡禎丞さん、月島軍曹役の竹本英史さん、鯉登少尉役の小西克幸さん、菊田特務曹長役の堀内賢雄さんの総勢10名。映画の撮影スタジオをイメージしたセットを背景に、伊藤さんが司会進行を務める形でクリスマスイブの昼夜2回公演は進められた。


イベントの前半は、TVアニメ第四期の印象的なシーンを振り返るトークコーナー「ゴールデンカムイを語ろうッ!!」からスタート。まず第四十五話で幼少期の宇佐美が友人の智春を殺める衝撃的なシーンが紹介され、セレクトした松岡さんは、「完成した映像を観たときに、宇佐美の表情がすさまじくてドン引きしました」と回顧。収録は方言もあって大変だったものの、智春役が気心の知れた小林(裕介)さんだったことで気持ち的にかなり救われたそうだ。続いて第四十七話で小山力也さんが演じる郵便配達人・野沢の銃撃シーンを選んだ竹本さんは、「こういった理由もなくただただ楽しいシーンこそが『ゴールデンカムイ』の本質ではないか」とコメント。さらに、第四十八話で海賊房太郎と水中で戦う杉元に白石が酸素を届けるシーンを伊藤さんがセレクトし、「地獄の郵便配達人」に続いて「天使の酸素配達人(伊藤さん談)」というコミカルな要素のあるシーンが続く流れに。白石の行為を拒絶した杉元の行動について小林さんは「極限状態の酸素より誇りを選んだのではないか」と理解を示すも、他の皆さんから「自分なら酸素を選ぶかな」と言われてタジタジになっていた。


その後はシネマトグラフにちなんで、楽しいオリジナルストーリーを作るショートコーナー「ゴールデンアカデミー賞!名監督は誰だッ!!」を実施。上手(かみて)と下手(しもて)で分かれた両チームのメンバーが考えた4つのパートを組み合わせてひとつのストーリーにするというルールのもと、面白さを評価する監督役を白石さんが務めることに。先に発表を行った下手チームは、堀内さんの「牛山の心の中で」、松岡さんの「君と玉が」、津田さんの「ラッコ鍋を食べながら」、小林さんの「つまらない死に方をした」と続き、繋がりのあるストーリーを作ることに成功する。続いて上手チームは、乃村さんの「この川口のスペシャルイベントで」、中田さんの「舘ひろしさんと玉木宏さんが」、竹本さんの「山猫の悪口を楽しくしゃべっていたら」、小西さんの「少しだけ背がのびた」の組み合わせで、イベント会場や実写映画版のキャストまで絡めた物語が完成。白石さんの独断と偏見によるジャッジで上手チームに軍配が上がり、キャストの顔を模して作られたゴールデンな像が贈呈された。


ショートコーナーのあとは再びトークコーナーに戻り、改めて第四期の中から緩急の効いた2つのシーンを振り返ることに。第四十八話で宇佐美が精子探偵として本領を発揮するシーンをセレクトした堀内さんは、「ある意味では菊田が宇佐美の個性を認めた瞬間でもあり、役者としていいものを見られた」とコメント。加えて、菊田は真面目なキャラクターでよかったとも思ったそうだ。続いて紹介された第四十九話で倒木の下敷きになった杉元とアシㇼパのシーンは、白石さんによるセレクト。収録時に小林さんの呼吸がより近くに感じられてグッときたことや、白石も加えた3人の絆がさらに強くなったと感じられたことが選んだ理由だという。杉元を演じる小林さんも、このシーンはとても大事にしたいと思っていたそうだ。

後半のメインは10名のキャスト陣によって行われる生アフレコ。怪人オベンチョと化した牛山や関谷に飲まされた毒を克服した土方のシーンに始まり、都丹たちと交戦する菊田や、シネマトグラフを撮影する杉元一行のシーン、杉元に絡む酔っ払った白石や、逃亡した谷垣とインカㇻマッを追ってきた月島と鯉登のシーン、宇佐美と尾形の因縁が明かされるシーンなど、第四期を彩った名シーンの数々が再現された。過去のイベントでもそうだったように、ギャグからシリアスまで何でもありの『ゴールデンカムイ』の魅力が凝縮された構成となっており、キャストの熱演を受け止めるファンの感情もいい意味で大忙しだったに違いない。


生アフレコの余韻を残しつつ、イベントはTHE SPELLBOUNDのEDテーマ「すべてがそこにありますように。」のライブへと突入。OPテーマのみならずEDテーマもライブで披露されるというサプライズを体験した観客は、第四期に寄り添った両テーマ曲の存在の大きさを改めて感じ取ったことだろう。


こうしてすべての演目が終わり、ステージに改めてキャスト陣とアーティストたちが集結すると、アニメ公式からクリスマスプレゼントとして、「TVアニメ『ゴールデンカムイ』オーケストラコンサート’24」の開催決定が発表。続いて登壇者からファンに向けたメッセージが贈られ、ALI、Mummy-D、THE SPELLBOUNDのメンバーは今回のイベントに参加できたことへの喜び、キャスト陣はファンへの感謝と最終章に向けた想いなどが語られた。そして最後は、小林さんの「ゴールデンカムイ!」に続けて全員で「最高ッ!!」と叫び、みんなの想いをひとつにしてイベントは終了となった。


スペシャルイベントの夜の部は、昼の部と同じくOPライブで幕を開け、その後は各コーナーの内容を差別化して行われた。


トークコーナーで紹介するシーンも変更され、第三十八話から土方一派と関谷との戦いを選んだ中田さんは、「チーム土方のチームワークを感じられたのがよかった」と回顧。土方とともにこのエピソードで活躍した牛山役の乃村さんは、「牛山にとって第四期における最大の見せ場なので全力で演じました」と語ってくれた。続いて紹介されたのは、第四十話の鯉登少尉と鶴見中尉との出会い。セレクトした小西さんとしては、“鯉登パパ”の活躍をファンと一緒に楽しみたい想いが強かったそうだ。さらに第四十一話からシネマトグラフのシーンを選んだのは、意外にもこのシーンには登場してない尾形役の津田さん。「バカしか出ていないのが最高」と語り、団体で笑えることをやっているシーンに尾形が参加する機会はあまりないのでうらやましい気持ちがあると明かしてくれた。

オリジナルストーリーを作るショートコーナーでは、先行の上手チームが中田さんの「札幌の雪まつり会場で」、乃村さんの「コバチカ(小林親弘さん)とイトケン(伊藤健太郎さん)が」、竹本さんの「砂金を掘っていたら」、小西さんの「親指のツメがはがれた」という組み合わせとなり、かなりリアリティを感じさせる物語が完成。一方の下手チームは、堀内さんの「ゴールデンカムイを愛する人たちの心の中は」、小林さんの「月島と谷垣が」、松岡さんの「あの日あの時アンデスで」、津田さんの「伸びた」と続き、なんともトリッキーな内容に。松岡さんが担当パートを間違えて場所が2回出てくることになったが、オチを重視した白石さんのジャッジで今度は下手チームが勝利を掴み取った。


その後は再びトークコーナーに。第四十四話から松田平太の登場シーンを選んだ堀内さんは、多重人格の描き方やその後のオチ、さらに平太を演じた石田彰さんの演技のスゴさについて言及。続いて第四十七話で杉元がアシㇼパに過去について話すシーンが紹介され、セレクトした小林さんは、「杉元のスタート地点のような過去が明かされたことで、役に対する理解がより一層深まりました」と語ってくれた。

後半の生アフレコも昼の部から内容を一新。関谷と対峙する土方のシーンを皮切りに、毒で前後不覚になった牛山とチヨタロウの交流や、登別温泉で宇佐美たちと菊田が会話するシーン、鶴見中尉との合流を控えた杉元一行や、その後の樺太からの脱出シーン、倒木の下敷きになった杉元とアシㇼパや、メンコに興じる月島軍曹と鯉登少尉のシーンなどが演じられた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後の演目であるEDライブが終わるとエンディングのコーナーへ。ステージに勢揃いしたアーティストとキャストからファンに向けてメッセージが贈られる。最後も「ゴールデンカムイ!」「最高ッ!!」のやり取りで締めくくられ、スペシャルイベントの全公演は大盛況のうちに“クランクアップ”を迎えた。すでに製作が決定している最終章に向けて、これからも目が離せないTVアニメ『ゴールデンカムイ』。次なる展開を刮目して待てッ!!

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