劇場先行版『ゴールデンカムイ』札幌ビール工場編【後編】公開記念舞台挨拶の模様をレポートッ!!

TVアニメ『ゴールデンカムイ』最終章の放送に先駆け、絶賛公開中の劇場先行版「札幌ビール工場編」。前編に続いて後編の上映がついに始まり、11月2日(日)に丸の内ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が行われた。登壇したのは、杉元佐一役の小林親弘さん、アシㇼパ役の白石晴香さん、白石由竹役の伊藤健太郎さん、土方歳三役の中田譲治さん、牛山辰馬役の乃村健次さん、月島軍曹役の竹本英史さん、鯉登少尉役の小西克幸さんの総勢7名のメインキャスト。

11:30の回は映画本編の上映前に実施され、前編の舞台挨拶と同様に伊藤さんが司会進行を担当。登壇したキャストたちが劇場の観客とライブビューイングの参加者に向けて挨拶を行ったあと、まずは小林さんと白石さんが前編の公開後に受け取った反響について振り返った。小林さんは他作品の現場でも「観たよ」と声をかけられると語り、作品の注目度の高さを感じさせるエピソードを披露。一方の白石さんは、ファンの方から劇場のスクリーンと音響環境で『ゴールデンカムイ』を観られることを喜ぶ感想が数多く届いていると語ってくれた。その後、話題は後編の注目ポイントに。中田さんが「謎がいろいろ明らかになり、『おっ、ゴールデンカムイ』という感じ」と語ると、あまりに端的な表現に他のキャストは驚きつつも「たしかにそういう場面がある」と納得。乃村さんは後編では牛山の出番がほぼないことから、前編の注目ポイントとして「扉の中から牛山が出てくるところ」を挙げてくれた。さらに第七師団として話を振られた小西さんが「我々としては鶴見中尉を観ていただくのが一番」と語ると、これに同意した竹本さんが「鶴見中尉を観に来てくれて、本当にありがとうと言いたい!」と熱弁。続けて「ウチの鯉登が頑張ってるのでよろしくお願いします」と話すと観客から拍手が巻き起こり、小西さんは「大人になったと感じさせる部分や、月島軍曹との関係の変化などをぜひ観ていただけたら嬉しい」と率直な想いを語ってくれた。
次のコーナーでは、TVアニメ第一期から8年目にして初となる劇場版の公開を受け、この先やってみたいことを聞いていくことに。白石さんが北海道のとある場所にみんなで行きたいと語ると、キャスト全員が同意しつつも、アニメではまだ明かされていない秘密であることから、現時点では、なぜかその場所に行きたい人たち(小西さん談)という状況に陥ってしまっていた。その後は小西さんがワールドツアーをぶち上げ、竹本さんはその前に北海道ツアーをやることを提案。北海道でのスタンプラリーに絡めて、各ポイントにキャスト陣がスタンプを持って待っているという驚きのアイデアも飛び出した。

続いては、アニメ公式Xに寄せられた質問に答えるコーナーを実施。1つ目の質問は、アフレコでの監督や音響監督との印象的なやりとりについて。竹本さんは月島軍曹と鯉登少尉が“ある方”の会話を盗み聞きしながらヒソヒソ話をするときの声量で悩んだと告白するも、相手の小西さんはあまり覚えていない様子。実際には、小西さん主導でテストを行い、それをもとに音響監督から落とし所の提案がなされたそうだ。小林さんは、鶴見中尉とアシㇼパが“お話”をするシーンにおける大塚芳忠さんの演技について回顧。テストでの楽しげな演技に対し、音響監督から出された楽しさの度合いを抑えて怖い雰囲気も出してほしいとのディレクションが印象的だったと語ってくれた。続いて乃村さんは、再び前編のシーンから上エ地の挑発に全員がそっぽを向くときの「プイッ」の収録が印象的だったとコメント。伊藤さんからは、そのセリフが収録された背景には原作者の野田(サトル)先生からの提案があったと明かされた。2つ目はキャストを指名しての質問で、普段どんなことを意識して牛山を演じているかを問われた乃村さんは、とくに意識はせず、牛山の心のままに演じるよう心掛けていると回答。そんな乃村さんに中田さんは「ここぞという場面でカッコいいセリフを吐くのが許せない」と話し、土方一派に予期せぬ仲間割れが発生する事態となった。そして3つ目は、小西さんに向けた質問。プライベートで鯉登少尉のような奇声を上げることはあるかと問われた小西さんは、嘘か本当か「ある」と答え、劇場に来てからもたびたび発していたと明かして会場の笑いをさそっていた。

最後は、キャストを代表して小林さんと白石さんからファンへメッセージが送られた。白石さんが「後編の見所である“鶴見劇場”を楽しんでください」と語ったあと、小林さんは作品が終わりに向かっていることに対する寂しさを打ち明け、「最後までどうか見届けてほしいです」とコメント。和気あいあいとした雰囲気の中、舞台挨拶の第1回目は終了を迎えた。

14:00の回は映画本編の上映後に行われ、登壇したキャストによる挨拶からスタート。竹本さんが「今日は楽しませますよ!」と宣言すると、小西さんからはいきなり猿叫での挨拶が飛び出し、ノリのよさを感じさせてくれる出だしとなった。トークコーナーでは、“鶴見劇場”とも言うべき後編の内容を受けて、白石さんが大塚さんとアフレコに臨んだ感想をコメント。原作を読んだときから収録の日を迎えるのが怖かったと語ったあと、実際のアフレコでは、隣にいる大塚さんの殺気や悲しみといったいろんな感情を押し殺した上で年相応の女の子に語りかける様が怖くてドキドキしたと振り返ってくれた。さらにその会話を扉の向こうから聞いていた月島軍曹と鯉登少尉に話題が移ると、小西さんは鶴見中尉がどこまで本当のことを言っているのかが気になっていたと回顧。一方の竹本さんは、鶴見中尉から欲しい言葉をもらった月島軍曹の心情を推しはかり、“鶴見劇場”に完全に巻き込まれたなと語った。なお、鶴見中尉の言葉に安堵する月島軍曹とその肩を叩く鯉登少尉のシーンでは、それぞれ収録時にセリフを入れていたとのこと。ただ結果的にそれらは使われず、竹本さんは「カットで正解だった気がします。鯉登とセットで黙っとけってとこかと(笑)」とジョークも交えてその方針を支持。小西さんも「音にしない狙いがあるんだと思います」と賛同していた。

続いての話題は、すごかったシーンや演技について。乃村さんは、ビール工場が大変なことになる中での門倉の姿が忘れられないと語った。すると竹本さんが、そのシーンでキラウㇱが「わああ~」と声をあげるセリフを前野(智昭)さんが録り直していたと述懐。最初はリアルに感情の入った演技だったのに対し、監督から字面通り平板に言ってほしいとディレクションがなされたことで、門倉とキラウㇱの関係性の可愛さがより強調されたと振り返ってくれた。小林さんは白石と海賊房太郎の関係性を挙げ、伊藤さんもこれを受けて白石と房太郎のとあるシーンではグッときたとコメント。加えて、そのくだりの白石の作画が普段よりも格段に凛々しく描かれていたと感慨深げに語ってくれた。

その後はファンから寄せられた質問に答えるコーナーとなり、今後の動向が気になるキャラクターについては、中田さんは何を考えているかよくわからない尾形、竹本さんは杉元に執着する二階堂をチョイス。二階堂繋がりで、白石さんが義手に仕込まれた箸の攻撃を額に受けたときのアシㇼパの演技を披露するひと幕も見られた。続いて、演じるキャラクターに染まっていると感じる瞬間についての質問では、竹本さんがロシア語の理解度について言及。現在では流暢なロシア語とおぼつかないロシア語の違いがわかるようになったといい、今回の収録では月島軍曹の習熟度を考慮してあえてロシア語監修を入れない演技をしたと振り返ると、観客からは竹本さんの努力を労う拍手が送られた。さらに白石さんは、日常生活で変顔をするのが恥ずかしくなくなったと告白。アシㇼパという役に出会ったことで、いろんなものから解放された実感があると明かしてくれた。

最後は第1回目と同じく、小林さんと白石さんから感謝のメッセージが。白石さんが「まだまだ『ゴールデンカムイ』で皆さんと叶えたい夢がたくさんあるので、最終章を皆さんと盛り上げていきたいと思います」と語ったあと、小林さんは「作品がここまで続いたのは、皆さんが好きだと思ってくださるからだと思っています。またこんな機会が作れたら幸せです」とコメント。それを受けて伊藤さんが、最終章を迎える喜びや寂しさを噛み締めながらキャスト一堂全力で収録に立ち向かっていくと宣言してイベントは締めくくられた。劇場での先行上映という形で幕を開けたアニメ『ゴールデンカムイ』最終章、今後の続報にも注目せよッ!!







